POP3/IMAPサーバ(Courier-IMAP)の構築(CentOS編)
CentOSでは、POP3/IMAPサーバとしてDovecotが用意されており、一般的にはほとんど設定することなく利用可能です。しかし、Dovecotはmobileimapとの相性が悪くmobileimapが起動できないので、CentOSでも従来どおりCourier-IMAPを動かすことにしました。
なお、squirrelmailでは特に問題が発生しないので、mobileimapを使用しないなら管理を考えると
Dovecotを使用したほうが良いと考えます。
■Courier-IMAPのダウンロードとRPMの作成
Courier-IMAPを
こちらからダウンロードしますが、4.0系から認証ライブラリ(Courier authentication library)が別になったので、こちらの rpmを先に作成してインストールしてからでないと、Courier-IMAPの rpmが作成できないことと、rpmの作成までは一般ユーザで行わないとエラーがでるので注意が必要です。作業ディレクトリのパーミッションにも注意が必要です。おやじは、作業ユーザのhomeディレクトリにダウンロードして作業しました。
また、CentoOSやFedora Core3ではfamの替わりにgaminが採用されているので、specファイルを少し変更しないとrpmを作成できません。
- 準備作業として、作業ユーザの homeディレクトリに rpmの作成環境を作成する。
$ cd ~
$ mkdir -p $HOME/rpm/{SOURCES,SPECS,BUILD,SRPMS,RPMS/i386}
$ echo "%_topdir $HOME/rpm" >> $HOME/.rpmmacros |
- 作成した rpm作成環境の SOURCESディレクトリに移動して、courier authentication
library をダウンロードして、rpmを作成する。
$ cd ~/rpm/SOURCES
$ wget http://jaist.dl.sourceforge.net/sourceforge/courier/courier-authlib-0.55.tar.bz2
$ rpmbuild -ta courier-authlib-0.55.tar.bz2 |
- rootになり、作成された rpmファイルを確認し必要なものをインストールする。おやじはlogin認証だけなので、courier-authlib-0.55-1.i386.rpmと courier-authlib-devel-0.55-1.i386.rpmのみをインストールした。なお、SRPMSフォルダにはsrpmができている。
$ su -
password:xxxxx
# cd ../RPMS/i386
# ls
courier-authlib-0.55-1.i386.rpm
courier-authlib-devel-0.55-1.i386.rpm
courier-authlib-userdb-0.55-1.i386.rpm
courier-authlib-ldap-0.55-1.i386.rpm
courier-authlib-mysql-0.55-1.i386.rpm
courier-authlib-pgsql-0.55-1.i386.rpm
courier-authlib-debuginfo-0.55-1.i386.rpm
# rpm -Uvh courier-authlib-0.55-1.i386.rpm courier-authlib-devel-0.55-1.i386.rpm |
- 続いて courier-imapのrpmを作成するため再度作業ユーザに戻り、作成した rpm作成環境の
SOURCESディレクトリに移動して、courier-imapをダウンロードして解凍する。
$ cd ~/rpm/SOURCES
$ wget http://jaist.dl.sourceforge.net/sourceforge/courier/courier-imap-4.0.2.tar.bz2
$ tar -jxf courier-imap-4.0.2.tar.bz2 |
- 解凍したcourier-imapのフォルダ内にあるspecファイルを編集し、~/rpm/SPECSフォルダに置く。変更したのは、famからgaminへの変更と日本語検索機能のための
unicodeへの iso-2022-jpの追加である。
$ sed -e "s/fam/gamin/g" \
-e "s/iso-8859-1/iso-2022-jp,iso-8859-1/g"
\
./courier-imap-4.0.2/courier-imap.spec >
../SPECS/courier-imap.spec |
- SPECSディレクトリに移動してrpmを作成する。依存関係で警告が出たら、Yumでインストールする。
$ cd ../SPECS
$ rpmbuild -ba courier-imap.spec |
- rootになり、作成された rpmファイルを確認しインストールする。なお、SRPMSフォルダにはsrpmができている。
$ su -
password:xxxxx
# cd ../RPMS/i386
# ls
courier-imap-4.0.2-1.i386.rpm
# rpm -Uvh courier-imap-4.0.2-1.i386.rpm |
なお、おやじが作成したCentOS4.0用のrpmを
こちらに置いておきます。
■Courier-IMAPの設定
Corier-IMAPをrpmからインストールすると、デフォルトでPOP3/POP3 over SSL/IMAP/IMAP
over SSLの4つのモードが起動されます。おやじは、全て起動してルータやファイヤウォールでアクセス制御していますが、不必要なものは止めておいたほうが良いでしょう。設定ファイルは
/usr/lib/courier-imap/etc に作成されますので、その内容を修正していきます。以下に、修正内容を示します。(青字は削除、赤字は追加、緑字は変更したものです。)
◆pop3dファイルの編集(POP3未使用時)
- pop3dの起動停止
POP3DSTART=YES
↓変更
POP3DSTART=NO
◆pop3d-sslファイルの編集
- pop3d-sslの起動停止(POP3 over SSL未使用時)
POP3DSSLSTART=YES
↓変更
POP3DSSLSTART=NO
- pemファイルの指定
TLS_CERTFILE=/usr/lib/courier-imap/share/imapd.pem
↓変更
TLS_CERTFILE=/usr/local/certs/mail.pem
◆imapdファイルの編集(IMAP未使用時)
- imapd-sslの起動設定
IMAPDSTART=YES
↓変更
IMAPDSTART=NO
◆imapd-sslファイルの編集
- imapd-sslの起動設定(IMAP over SSL未使用時)
IMAPDSSLSTART=YES
↓変更
IMAPDSSLSTART=NO
- pemファイルの指定
TLS_CERTFILE=/usr/lib/courier-imap/share/imapd.pem
↓変更
TLS_CERTFILE=/usr/local/certs/mail.pem
■メールBoxの作成とPostfixの設定
Corier-IMAPのメールBoxはMaildir形式なので、各ユーザのホームディレクトリにMaildirを作成するとともに、PostfixのMaildir形式対応にします。
◆メールBoxの作成
メールBoxを作成するには、各ユーザのホームディレクトリで下記のようにコマンドを入力します。
$ cd ~
$ /usr/lib/courier-imap/bin/maildirmake Maildir |
新規ユーザ作成時に、自動的にユーザホームディレクトリにMaildirが作られるようにするには、root
で「/etc/skel」にも作成しておきます。
# /usr/lib/courier-imap/bin/maildirmake /etc/skel/Maildir |
◆Postfixの設定
PostfixをMaildir形式対応にするには、/etc/postfix/main.cf を編集してhome_mailboxでのMaildirの指定と、mail_spool_directoryでのスプールディレクトリの指定を行います。(
青字は削除、
赤字は追加、
緑字は変更したものです。)
下記以外は、
Postfixのページを参考にしてください。
- メールBoxの指定
#home_mailbox = Mailbox
#home_mailbox = Maildir/
↓削除
#home_mailbox = Mailbox
home_mailbox = Maildir/
- スプールディレクトリの指定
#mail_spool_directory = /var/mail
mail_spool_directory = /var/spool/mail
↓追加
#mail_spool_directory = /var/mail
#mail_spool_directory = /var/spool/mail
■Courier-IMAPの自動起動の設定
rpmからインストールすると、courier-authlibと courier-imapの自動起動スクリプトがインストールされ、ランレベル2、3、4、5で起動、停止が可能となっていますので、特に設定は必要はありません。
但し、courier-imapのスクリプト(/etc/rc.d/init.d/courier-imap)では、初回起動時に自動的にダミーのSSL証明書を作成するようになっているので、そこをコメントアウト(赤字)して利用します。IMAP用とPOP3用の2箇所あります。使用しなければいいだけなので、変更しなくても特に問題はありません。
# vi /etc/rc.d/init.d/courier-imap
:
(snip)
:
if test -x $COURIERTLS
then
# First time we start this, generate a dummy SSL certificate.
# if test ! -f ${prefix}/share/imapd.pem
# then
# echo -n " generating-SSL-certificate..."
# ${prefix}/share/mkimapdcert >/dev/null 2>&1
# fi
/usr/lib/courier-imap/libexec/imapd-ssl.rc start
echo -n " imap-ssl"
fi
:
(snip)
:
# First time we start this, generate a dummy SSL certificate.
# if test ! -f ${prefix}/share/pop3d.pem
# then
# echo -n " generating-SSL-certificate..."
# ${prefix}/share/mkpop3dcert >/dev/null 2>&1
# fi
/usr/lib/courier-imap/libexec/pop3d-ssl.rc start
echo -n " pop3-ssl"
fi
[Esc],[:],[w],[q]で保存
|
Top Pageへ