Atlon64でCool'N'Quiet(SuSE9.3編)


予備サーバの不調に伴い、新規にAthlon64サーバを構築しましたが、Athlon64にしたひとつの理由に省電力化があります。大半の時間がidleってる自宅サーバには、Athlon64の省電力機能(Cool'n'Quiet)が有効ではないかと考えたからで、実際にその効果を確認してみました。ワットメータがないので電力ベースでの比較はできませんが、非常に効果があるようです。

■SuSE9.3 でのCool'N'Quietの設定

設定と書いたものの、SuSE9.3ではAthlon64でマザーボードがちゃんと対応していれば、デフォルトインストールで何もしなくてもCool'N'Quietが組み込まれ動作しています。少なくとも、おやじが使用しているマザーボード(ECSから買い換えたGigabyte GA-K8N Pro SLI)では組み込まれていました。
Cool'N'Quietを動かすための設定は、以下のとおりです。(デフォルトで全て下記のとおりになっているはずです)

  1. YaSTの「 システム 」の「 ランレベルエディタ 」で、「 powersaved 」を有効にする。

  2. YaSTの「 /etc/sysconfigエディター 」 -> 「 System 」 -> 「 Powermanagement 」 -> 「CPU clock control 」 -> 「 CPUFREQD_MODULE 」に「 powernow-k8 (Athlon64の場合)」を設定する。実際は、ここの設定が空欄の場合は自動的に対応するモジュールが組み込まれることになっており、おやじの環境でも未設定でCool'N'Quiet機能は動作していた。(lsmod で powernow_k8 が組み込まれていることを確認)
なお、Fanコントロールはlm_sensorsのfancontrolを使ってもできるようですが、おやじのマザーボードではうまく制御ができないようで、pwmconfigで設定ファイルを作成できませんでした。(PWM制御が効かないようで、回転数が制御できませんでした。)
替わりにと言っては何ですが、おやじが使用しているマザーボードにはCPU SMART Fan Control機能というものがあり、CPU温度にあわせてFANの回転数を制御できるので、BIOSでこの機能も有効にしてみました。(このマザーボードでは温度に応じた3段階の手動設定もできるので、チューニングが必要でしょうが環境に合わせて設定してもよいと思います。)

その後、lm_sensorsでFanコントロールができることがわかりましたので、こちらにまとめておきましたので、参考にしてください。

■測定結果

マザーボードの持っているFANコントロール機能もあわせて使用した、省電力機能の動作状況を以下に示します。

項 目 アイドル時 高負荷時(100%) 備 考
CPUコア電圧 +1.09 V +1.39 V 規格上の電圧範囲(Min. 1.10V/Max. 1.40V)で動作している。
CPU温度 +31°C +43°C 室温+28°C
CPUファン回転数 3590 RPM 3924 RPM CPUファンはリテールのまま。
CPU温度上昇に伴い回転数が上がってくるがリニアではない。
CPUクロック 1005.162MHz 2010.325MHz ハーフ負荷では1800MHzが見える時あり。
CPU消費電力(TDP) 21 W 67 W 左記は、Data Sheet上のTDP値。
注:CPUコア電圧、温度、ファン回転数はlm_sensoresで測定し、CPUクロックは「 /proc/cpuinfo 」で測定した値である。

上記消費電力や温度でもわかるとおり、アイドル時にCPUクーラを触ってもケースに触れるのとなんら替わらず、全く温度上昇を感じません。Cool'N'Quietの効果は絶大と思います。


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