■家庭内のクライアントからアクセスしても、「サーバが見つかりません（ページを表示できません)」となり表示できない。

[原　因]

[対　策]

1. ネットワーク的な問題
   
   
   物理的な問題とネットワーク関係の設定があるが、下記で切り分けをしてみる。
   
   
   • サーバ/クライアントを接続しているHUBやルータ、パソコンのLinkランプを確認し、リンクアップしていることを確認する。リンクアップしていない場合は、接続ポートを変えたりケーブルを変えたりして、不具合個所を特定する。
     
     
   • 物理的な問題がなければ、pingが通るかどうか確認する。pingが通る場合は、サーバのチェックする。pingはDOSプロンプト(コマンドプロンプト）で、「ping 192.168.1.100等」と入力して、応答を確認する。pingが通らない場合は、パソコンのIPアドレスとサブネットマスクの設定を確認する。当然、DNSやゲートウェイの設定も確認しておくこと。(但し、この試験ではこの2つの設定は影響はしない。）
     
     
2. 論理的な問題
   
   
   論理的な問題としては、ファイヤウォールやデーモンの設定等、以下が考えられる。
   
   
   • ブラウザにプロキシが設定してあり、実はインターネット側からアクセスしてる場合もある。家庭内で動作確認が終了しているのにこうなるなら、これはこれで問題ではあるが、ここでのテスト時は、ブラウザのプロキシ設定を消して行うこと。
     
     
   • ファイヤウォールは適切に設定されていれば問題はないが、テスト段階では外しておくこと。
     
     
   • Apacheのデフォルト設定でアクセス制限されることはないはずであるが、Limitディレクティブなどを触っていないか確認する。
     
     
   • ドキュメント名或いはドキュメントへのパスが誤っている。
     
     
     この場合、access_logのエラーコードは、ターゲットが見つからないので「404」になる。
     
     ドキュメント名が誤っている場合は、修正するしかない。ドキュメントへのパスが誤っているケースでは、httpd.confの設定とドキュメントの構造とブラウザでのアクセス方法の関連があっていないケースが多い。アクセス方法とhttpd.confの設定の関係を以下に示す。
     
     
     • 　http://example.zive.net/ とブラウザでアクセスすると、apacheは、httpd.confのDocumentRootで指定されたディレクトリの内容を<Directory />で指定された条件で表示しようとする。デフォルトでは、その下のDirectoryディレクティブでDocumentRootと同じディレクトリの条件が記述されているので、こちらの条件に従うことになる。
       　このアクセス例ではドキュメントの指定が無いので、apacheは、下の方にあるDirectoryIndexで指定されたドキュメントがそのディレクトリ内に存在しないか左側から順番に探しに行く。デフォルトでは、index.html index.html.varになっているので、ディレクトリ内に index.html があれば、その内容が表示される。トップページにtop.htmlを使用しているような場合は、この行のindex.htmlの次あたりにtop.htmlを追加しておけば表示される。つまり、DirectoryIndexには、指定されたディレクトリでドキュメント指定が無い状態でアクセスされた場合のデフォルトのドキュメント名を書いておく。もし、DirectoryIndexに書いてあるドキュメントが無いと、apacheはindexリストを表示しようとするので、これを見せるのがいやなら、Directoryディレクティブ内のOptionsで指定されているindexesを削除しておけば表示されず、「404」のエラーとなる。
       
       
     • 　http://example.zive.net/~oyaji/とブラウザでアクセスすると、apacheは、httpd.confのUserDirで指定されたディレクトリの内容を表示しようとする。ここで、ただpublic_htmlと指定するとhomeディレクトリからの相対アドレスで探しにいくが、Windowsの場合は、C:\Documents and Settings\ユーザ名\public_html配下となり分かりにくいので、UserDir "C:/apache2/htdocs/*/public_html"のように絶対パスで明示したほうが良い。以降のドキュメント指定がない場合の動作は上と同じである。
       
       
     • 　http://example.zive.net/cgi-bin/とブラウザでアクセスすると、apacheのデフォルト設定ではcgi-binという文字列は特別な意味を持っており、httpd.confの下のほうにある、ScriptAlias /cgi-bin/ "C:/Apache2/cgi-bin/"(Windowsの場合)という設定により、C:/Apache2/cgi-bin/配下にアクセスする。DocumentRootで指定されたディレクトリ配下の/cgi-bin/以下にアクセスするわけではない。もしここにアクセスさせたいなら、ScriptAliasの行をコメントアウトし、cgi-binという文字列に特別な意味を持たせないようにすればよい。
       
       　なお、デフォルトの設定では、/cgi-bin/デイレクトリ以下にCGI以外のドキュメント(画像含む)を設置しアクセスすると、CGIとして実行されエラーとなる。対策はこちらを参照のこと。
       
       
     • 　http://example.zive.net/~oyaji/cgi-bin/とブラウザでアクセスすると、この場合は、ScriptAliasの設定より、UserDirの設定が優先し、C:/apache2/htdocs/*/public_html/cgi-bin/以下にアクセスに行く。
       
       

     ディレクトリ構造とhttpd.confの設定例を以下に示す。
     
     [ディレクトリ構造]
     
     　　home [ ルートディレクトリ　］
     　　　　｜
     　　　　├ oyaji ［ おやじのユーザディレクトリ ]
     　　　　｜　｜
     　　　　｜　└ public_html [ ドキュメントルート ]
     　　　　｜　　　　｜
     　　　　｜　　　　└ count [ CGI設置 ]
     　　　　｜
     　　　　└ akirin ［ あっこのユーザディレクトリ ]
     　　　　  　｜
     　　　　  　└ public_html [ ドキュメントルート ]
     　　　　  　　　　｜
     　　　　  　　　　└ bbs   [ CGI設置 ]
     
     [関連の設定]
     
     

     DocumentRoot "/home" <Directory />     Options FollowSymLinks     AllowOverride None </Directory> <Directory "/home">     Options FollowSymLinks SymLinksifOwnerMatch ExecCGI     AllowOverride None     Order allow,deny     Allow from all </Directory> UserDir /home/*/public_html <Directory /home/*/public_html>     AllowOverride FileInfo AuthConfig Limit     Options SymLinksIfOwnerMatch ExecCGI IncludesNoExec     <Limit GET POST OPTIONS PROPFIND>         Order allow,deny         Allow from all     </Limit>     <LimitExcept GET POST OPTIONS PROPFIND>         Order deny,allow         Deny from all     </LimitExcept> </Directory> DirectoryIndex index.html index.htm index.html.var ScriptAlias /cgi-bin/ "/usr/local/apache2/cgi-bin/"

     
     

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